神社 |
八幡神社 |
地域 | 千葉県市川市 妙典一丁目、二丁目 |
周期 | 3年に1度 |
日程 | 祭礼日(10月15日)前の土・日 |
次回 | 2020年 、2021年、2022年中止 |
妙典一丁目にある八幡神社の祭礼です。
祭りの名前は「上妙典」ですが、「上妙典」は旧・住居表示で、現在はその地名は使われていません。今の妙典一丁目と二丁目が氏子地域になります。
昭和50年ごろまでは、お米の豊作を祝い数年に一度神輿の渡御が行われていましたが、担ぎ手不足や時代の変化により平成5年以降渡御が中断されていました。
これを復活させようと、行徳まつりの役員でもある地元青年会のメンバーが働きかけ、平成23年に神社近くの元新田公園で神輿パフォーマンスのイベントを開催。
以後3年ごとに祭礼で渡御が行われています。
神輿が重いのがこの祭りの特徴で、その重さゆえ、行徳揉みでは放り受けを行いません。
上妙典(かみみょうでん):妙典とは法華経のこと。江戸時代、この地域の住民はすべて日蓮宗の信者でした。
上妙典は旧名で、今の妙典一丁目、二丁目を指します。
神社神輿(宮神輿)
製作者 |
地元宮大工・宍倉寅吉氏、宍倉徳太郎氏 (装飾作者 後藤直光) |
製作年 |
昭和3年9月 |
台輪寸法 | 四尺一寸 |
●行徳で一番重い神輿
地元で腕利きの宮大工・宍倉寅吉氏と甥の宍倉徳太郎氏が、葛飾八幡宮の神輿を見本として(注1)本体を製作し、装飾は6代目後藤直光が手がけました。
「神輿は重いほどよい」という考えから、木材は特に厚い欅材が使われており、重さは推定1トン。神輿屋の神輿は担ぎやすいように考えて作られるものですが、この神輿は「これだけ重いものを担いでみせろ」という心意気のもと、台座の大きさの割にあえて重く作られているので、重心が不安定で余計に担ぐのが難しいそうです。
行徳一重い「千貫神輿」といわれており、担ぎ手たちも「ほかとは重さが全然違う」と口を揃えます。
1989年(平成元年)11月に今の形状に大修復されました。
2020年に予定されていた大祭は、新型コロナウィルスの影響で中止となりましたが、祭礼に合わせて神輿の飾り紐が新調されました。神輿のサイズに合った太い網掛けの紐になり、神輿をますます引き立たせています。上の写真が新しいものになりますので、ぜひほかの写真と見比べてみてください。
(注1)地元ではこの神輿は「葛飾八幡宮の神輿を見本として作られた」と伝えられているそうですが、葛飾八幡宮の大神輿の製作年は昭和26年で、上妙典の神輿の方が古いことになります。
この件につきまして、情報をお持ちの方はこちらよりご連絡いただけると幸いです。
※スケジュールは過去の祭りのもので、次回開催時は変わることがあります。
19:00~ 御霊遷し
お囃子の奉納があります。
模擬店はありません。
9:40~ 宮出し
13:00~ 地境式
13:20~ 渡御開始
神社前の参道が狭いので、宮出し・宮入りのときの担ぎ棒は2点棒で、通りに出てから6本(前後方向に4本+垂直方向に2本)に増やします。
町内渡御の前に下妙典との地境で地境式を行い、渡御が始まるあいさつをします。
渡御の際は、初めて通る道には「お清めの塩」と「榊」が先導し、神輿が通る道を塩で清めお祓いしながら進みます。一度通った道には行いません。
前回の祭礼の後に高張提灯が新調されたので、次回の祭礼からはこれも神輿の先導に加わります(高張提灯は、妙典まつりでは披露済み)。
神社境内と地境2カ所に盛り塩・盛り砂が用意され、盛り砂は担ぎ手の足元に撒かれます。これは「お清めの砂」と呼ばれるもので、担ぎ手たちが汗をかくと漆塗りの担ぎ棒から手がすべりやすくなるため、各自が手のひらにつけてすべらないようにするためのものだそうです。
上妙典の神輿は重いので、町内渡御の際は担ぎ棒を2本から6本に増やし、担ぎ手の人数を増やしますが、それでもその重さはダントツのようで、担ぎ手たちをフーフー言わせています。
そんな重量級神輿ですが、以前は担ぎ棒6本ではなく4本(前後方向に2本+垂直方向に2本)で町内渡御が行われていたとか。 また昭和20~30年代ごろには、血気盛んな担ぎ手たちが、2本棒のまま馬(神輿を置く台)も持たずに、昔の行徳橋を越えて一本松(稲荷木)まで行って帰ってきたというエピソードもあるそうです。昔の人の力の強さには驚かされますね。 |
2017年版
2017年にのぼり旗一式が奉納されました
担ぎ手は、担ぎ棒4本の左右外側に前3人、胴3人、後ろ3人ずつ、左右内側に前2人、胴3人、後ろ2人ずつで、4本合わせて32人。最近は胴中にも左右2~3人ずつ入るようになり、合わせて36人~38人で担ぎます。
交代要員を考えるとその3倍の人数が必要とされるため、100人以上の担ぎ手が必要となります。
担ぎ手の衣装は伝統の白装束で、掛け声は「わっしょい」です。
神輿が重いため、行徳揉みでは唯一放り受けを行いません。過去には行われたこともあったようですが、けが人が出て禁止となったそうです。
昔の揉み方 |
今の「地すり」は1回転ですが、昔は2~3回転したそうです。
また揉みの順番は、最初が「さし」で、次に「地すり」を行いますが、昔は「地すり」が先だったとか。 地面すれすれの地すりから一気に上まで持ち上げて高くさすのは、大変な力を要するため、足腰や腕力の強かった昔の人ならではの揉み方だったそうです。 |
担ぎ手団体
※担ぎ手団体についての詳細はこちらをご覧ください。
発足:2011年(平成23年)10月10日
会員数:約40名(2022年5月現在)