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いちミューの感想レポート

9月24日(土)に、いちかわ市民ミュージカル(いちミュー)第10回記念公演「NEXT! ~いちかわ黄金伝説~」を観て来ました。

前回の告知記事では、ネタバレしないようにあえて詳しい内容には触れていなかったので、今回はその辺の話も含めてご紹介したいと思います。

(今回は取材ではなく、一個人として観劇しました。個人的な感想レポートです。)

 

 


台風が近づいていたこの日は朝から大雨で心配しましたが、出かけるころには雨も上がりました。

市川市文化会館は、今年4月にリニューアルオープンしたばかり。

行徳の人にとっては少し遠いイメージがありますが、バス1本で簡単に行けます。

 

ロビーでは関連団体が、展示を行っていました。

本作は、市川の6つの市民活動をオムニバス形式で紹介する物語です。

東京大空襲から始まり、交響楽団や市民マラソン大会の創設など、史実に基づいたエピソードがテンポよく紹介されていきます。

夜間中学創設の話では、戦後の貧しさから小学校にすら通えないまま大人になった青年の心の叫びに、思わずほろり。

かと思えば、昭和のお笑い芸人たちが度々登場し漫才で笑わせてくれたり、これぞミュージカル!といった華やかな昭和歌謡レビューがあったりと、1幕から見ごたえ十分でした。

 

そして2幕。行徳が舞台のエピソードが始まります。

行徳民としてはわくわくしかありません。

 

幕開けは、行徳新浜での野鳥の群舞。

 

前回の告知記事でご紹介したこの場面ですね。

 

いちミューの売りの一つは140人近いキャストの数。

この圧倒的な数の力を活かして、冒頭から壮大なステージが繰り広げられます。

まさに圧巻。こんな群舞はプロの舞台でもなかなか観られないと思います。鳥肌ものです。

そしてその後のほのぼのとしたカルガモの親子のダンスは、かわいいの一言。その対比が絶妙です。

どちらもいちミューならではの演出であり、見どころの一つだと思います。

 

そして行徳野鳥観察舎の誕生エピソードが始まります。

実は、今回はこれをお伝えしたくて書いていると言っても過言ではありません。

 

時代は、全国で海岸の埋め立てが進められていた高度成長期。

このままでは生き物が多く住む行徳の干潟が失われてしまう…!と最初に立ち上がったのは、行徳の人たちではなく、大人でもない、都内に住む鳥好きの女子高生3人組でした。

物語の主人公となるのは、そのうちの一人、蓮尾(当時は古川)純子さんです。

 

東西線も開通していない時代に、鳥を見るために片道2時間かけて行徳の新浜に通っていたという蓮尾さん。

行徳の大切な干潟を残したいと、大学入学後に埋め立て反対運動を開始し、やがて賛同者も現れ「新浜を守る会」を結成しました。

この活動に対し、地元の人は大激怒。埋め立てればお金になる干潟を、「鳥のために残すなんてとんでもない!」「よそ者が!ガキのくせに!」と罵詈雑言の嵐だったそうです。

 

この運動の結果、妥協案として、たったの56ヘクタールとはなりましたが自然保護地区ができ、行徳野鳥観察舎が開設されました。

蓮尾さんは、一緒に活動されていたご主人と共に野鳥観察舎の住み込み管理人となり、まだまわりに何もなかった当初から保護区の管理に尽力。

その活動は今も続けられています。

 

蓮尾さんの活動がなかったら、今の保護区も野鳥観察舎も生まれなかったことになります。まさに行徳のジャンヌダルクですね。

以前にも少し聞いたことがある話でしたが、今回、この物語であらためて教えていただき、胸を打たれました。

 

蓮尾さんは、いちミューの副実行委員長も務められています。

先週通し稽古を取材した際は、スタッフの一員として忙しく働いておられ、「私、なんでもやるのよ」と笑顔で話されていました。

そんなお人柄もぜひお伝えしておきたいと思います。

 

蓮尾さんは当時の活動の話や保護区の様子などを立派な文章にされています。

興味のある方は、こちらからご覧ください。

 

 

 

さて、野鳥観察舎の話だけですっかり長くなってしまいました。

行徳のエピソードの2つ目となるのが、お待たせしました、行徳神輿の話です。

 

物語に登場するのは、漫才トリオの「かしまし娘」(若い方は知らないかも)…ではなく「やかまし三人娘」。

当日配付された公演パンフレットに載っている範囲でお話しすれば、そのうちの一人は、行徳の歴史・文化活動の中心的人物である田中愛子さんです。

行徳の名家のお生まれで、初代行徳町長だったご先祖が明治初期に建てたご自宅は、当時の面影を残す歴史的建造物として、イベント時などに公開されています。また行徳郷土文化懇話会やちりめん細工の古寄麗会の会長、行徳まちづくり協議会の理事など本当に多方面で活躍されている方ですが、いちミューの実行委員長もされていたのは存じ上げませんでした。

その田中さんが、昭和63年に行われた素盞雄(スサノオ)神社の船渡御(当サイトでもこちらのページで紹介しております)の仕掛け人だったことは、今回初めて知りました。

当時の写真のスライド映像も効果的に使われ、大変興味深く拝見しました。

 

田中さんは知的で大変優しい方で、当サイトの活動もいつも温かく見守ってくださっています。

実際は「やかまし三人娘」のイメージとは程遠いことをお伝えしておきます(笑)。

 

三人娘のもう一人は、市川市の歴史書などを多数執筆されている女性作家のあの方。

そしてもう一人は、行徳神輿に関係する方で、私はまさかの登場に「ぶったまげ」たわけですが、どちらもあえてネタばらしは控えておきます。

 

最後に中台製作所の中台社長率いる「行徳っこ子ども神輿」と「本塩囃子保存会」の皆さんが登場し、元気にわっしょい!

行徳といえば、やっぱりこれですね。物語もぐっと締まりました。

 

 

実はちょうどこの日の朝、NHKの旅番組で行徳が紹介されたのですが、まさに「神輿」と「野鳥観察舎」が取り上げられていました。

タイミング的にドンピシャでしたね。

※見逃してしまった方!NHKプラスで10/1(土)までアーカイブ配信されています。こちら初めての方は、利用登録が必要)の7:40のところからの「土曜すてき旅」のコーナーです。ぜひご覧ください。

 

 

フィナーレに出演者全員で歌う「わが街、市川」も感動的でした。

この歌、前回の告知記事でも動画を紹介しましたが、やはりあの大舞台の大合唱で聴くと、よさが何倍にも膨れ上がりますね。

 

行徳の多くの方たちにぜひ観ていただきたい!と思えた本作。

いつか行徳文化ホールI&Iで再演していただけたらいいな。

 

 

最後になりましたが、いちミューの出演者並びにスタッフの皆さま、素敵な公演を本当にありがとうございました。

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コメント: 4
  • #1

    田中愛子 (月曜日, 26 9月 2022 08:11)

    これだけ丁寧に解説鑑賞されて報道しているのは他にないですね!
    関係ある方々にとってもうれしい感想となってます。ありがとうございます

  • #2

    わっしょい!行徳 (月曜日, 26 9月 2022 08:50)

    コメントありがとうございます。
    そして大変お疲れさまでした。
    本当に素晴らしい公演でした。
    感動をありがとうございました。

  • #3

    ふたば (水曜日, 05 10月 2022 01:17)

    数年前に見ましたらすごく感動してしまいそれから楽しみにしてます。

    今回は細々といろんな場面でしたが

    市川を知ることができて
    市に愛着も持つことができました。

    市民たちが健気に練習を積んで舞台へと臨む

    舞台でも小さな子をそっと誘導するちょっとだけお兄ちゃんの子供の姿も印象的でした。

    思いやり、励まし合い
    出来ずに家でも練習などあったことでしょう。

    舞台だけを見たのではなく、舞台に至るまでの姿も想像し涙しました。

    ありがとうございました�

  • #4

    わっしょい!行徳 (水曜日, 05 10月 2022 09:52)

    ふたばさん、コメントありがとうございます。
    いちミューは舞台そのものの魅力に加え、
    幅広い世代の市民が力を合わせて大きなことにチャレンジしているその姿に胸が打たれますよね。
    次回も楽しみですね。