2023伊勢宿の祭礼レポート①からの続きです。
本祭り/10月8日(日)
この日は朝から上妙典の宮出しと地境式を見届け、伊勢宿に着いたのは10時半ごろ。
伊勢宿の宮出しは11時からと遅めなため、なんとか最初から見られそうです。
宮出し前の関係者あいさつもまだ始まっていなかったので、御仮屋に並んだ神輿を撮影する余裕もありました。
こちらの記事で紹介した、神社神輿の屋根の傷跡も実際に確認することができましたよ。
昔は喧嘩祭りだったという行徳の祭りの歴史を物語るものとして、この傷跡は今となってはある意味貴重かもしれませんね。
さて、そろそろ宮出しが始まりそうです。
まずは関係者のあいさつから。
白装束の衣装を着た担ぎ手たちもたくさん集まっています。
3つの祭りが重なっていることから、十分に集まるのか勝手に心配していましたが、心配無用でしたね。
(実際のところは掛け持ちの方も多く、行ったり来たりで大変そうでしたが。)
続いて音頭取り頭の方から神輿をもむうえでの注意事項が伝えられました。
一見同じように見える行徳もみも、町によって多少の違いがあるとのこと。
伊勢宿では、
①神輿を担いでいる人は、担ぎ棒を叩かないこと(叩くのは音頭取りだけ)
②掛け声は、音頭取りに合わせる(音頭取りが「まわれ」と言ったら、「わっしょい」ではなく「まわれ」と言う)
③さしあげた神輿は一気に下ろさず、ていねいにゆっくりと下ろす
の3点を注意してくださいとのお話でした。
①の「神輿の担ぎ棒を叩く」は、神輿をさすときに江戸前式ではよく見られる光景ですが、白装束ではほとんど見ない気がします。
そして②についてですが、行徳のほとんどの祭り(江戸前と獅子を除く)では、音頭取りの「まわれ」に対し「わっしょい」と続けます。
なのでこの掛け声は伊勢宿独自の特徴であり、注目ポイントでもありますね。
諸注意の後は、お神酒で乾杯です。
乾杯前に、「伊勢宿の神輿は楽しく、おもしろく、元気よく、そしてケガの無いように」がモットーという話がありました。
この話を伺って、宵宮のときに感じたややゆるい感じも合点がいきました。
この「楽しく、おもしろく、元気よく」が伊勢宿らしさなのかもしれませんね。
乾杯の後、御仮屋から神輿を出して、
1本締めでスタートです!
まずは境内で行徳もみを披露します。
もみの掛け声は、先ほどの注意事項にあった通りでした。
音頭取りの「まわれ」の後、担ぎ手は「わっしょい」ではなく「まわれ」と続けていました。
もみの後、慎重に鳥居をくぐり、宮出しです。
神輿を先導するのは、妙典囃子保存会さんです。
師弟関係にある本塩囃子保存会さんも加わって一緒に演奏しています。
そのお囃子のトラックに続いて参道を進み、
参道を出たところで神輿をもみます。
このとき、最初の地すりは神輿の向きを変えただけでした。
1/4周の地すりは初めて見ました。
その後は通常通りのさしと放り受けを行い、
町内渡御に出発です。
神社神輿の後には子ども神輿、
そして山車が続きます。
要所要所の交差点でもみを披露しながら町内を練り歩きます。
これがお昼の休憩をはさんで夕方まで続きますが、上妙典の中神輿渡御を見るため、そろそろ上妙典に戻らなければなりません。
後ろ髪を引かれながら伊勢宿を後にしました。
上妙典では午前中に中神輿、午後に大神輿の渡御が行われます。
その両神輿をおさえ、そのまま宮入り、御霊還しまで見届け、再び伊勢宿に戻ったのは17時半ごろ。
豊受神社は大通りに面していないため、宮入りは、参道と大通り(行徳街道)の境界で行われますが、まさにそこで宮入り前の盛り上がりを見せているところでした。
間に合ってよかった!
一連の行徳もみの後、宮入りにトライします!
が…!!
すぐに神輿の向きを変え、逃げてしまいます。
再びもみを最初からやり直しです。
街灯に照らされた神輿が美しく輝いています。
この後、再び突入!
…しませんでした~(笑)。
また向きを変えて逃げてしまいました。
この粘りが行徳の祭りの最大の見どころです。
「楽しく、おもしろく、元気よく」がモットーの伊勢宿、さすが楽しませてくれますね~。
さらに行徳もみから、
再度突入!
せず(笑)。
またまた一連の行徳もみから、
再度トライ!
何度かこれを繰り返しているうちに、すっかり日が暮れてきているのが写真でもわかるかと思います。
最後は参道との境で押し合いながらも、無事に入りました~。
その後は、真っ暗になった参道を静かに進み、
鳥居をくぐって、
境内に入ります。
そして御仮屋の前で行徳もみを披露し、
三本締めで渡御を締めくくりました。
お囃子の皆さんもお疲れさまでした。
この後、厳かに神事が行われ、2日間の祭りは幕を閉じました。
今年は警察の道路使用許可が厳しく、どの祭りも時間に追われる部分が大きかった中で、宮入りの粘りを一番見せてくれたのが伊勢宿だったように思います。
担ぎ手の皆さんは他の祭りと掛け持ちされた方も多く、体力的にキツかったかと思いますが、コロナ前の祭りを彷彿とさせる行徳らしい宮入りで楽しませていただきました。
次回は3年後ですね。
また他の祭りと重ならないことを願いつつ、その日を楽しみに待ちたいと思います。
関係者の皆さま、本当にお疲れさまでした。
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