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2023新井の祭礼レポート① 宵宮

秋の祭りシーズンがようやく本来の形に戻った2023年。

その先陣を切ったのが、4年に一度の新井の祭礼でした。

 

昨秋は、唯一四カ村の祭礼が行われ、ここ新井でも町内の人を対象とした神輿担ぎのイベント「わっしょい いざなみ」が開かれましたが、どちらも慎重に感染症対策を講じたうえでの開催。

今秋はコロナもやっと落ち着き、マスク無しの通常の祭りが戻りました。

 

この祭りは、昔の村名をとって「新井」の祭礼と呼ばれていますが、現在の地名では新井だけではなく、島尻、広尾、南行徳を合わせた4つの町の祭りとなっています。

もとは1つの村だったため、五ヶ町や四カ村のような地境での神輿の受け渡しは行いません。

氏子地域が広いため、渡御は2日に分けて行われ、宵宮を入れて3日間の祭りとなります。

 

そして新井の祭りといえば白装束の衣装を着用せず、男女混合、鳴り物入りの江戸前担ぎが特徴です。

他の行徳の祭りとは明らかに趣向が異なる、にぎやかな祭りの様子を2回に分けてレポートします。


宵宮/10月6日(金)

宵宮の日の夕刻。

熊野神社を訪れた瞬間、目に飛び込んできたのはこの光景。

神輿や獅子頭がずらりと並んだ御仮屋の、美しさたるや。

前回の祭りから7年…いよいよ始まるんだなと、感慨無量です。

 

写真右から、宮神輿、新井の町会神輿(中神輿)、獅子頭、子ども神輿、そして後藤直光の総彫り屋根が展示されています。(各神輿についてはこちらのページで紹介しています。)

 

左端の後藤直光の総彫り屋根は関係者所有のもので、今回初披露されました。

この彫刻、ただものではありません。

これぞ行徳の誇る後藤直光。素晴らしすぎます。

台輪二尺五寸ぐらいのサイズに相当するそうで、地すりで神輿を下げたときに上から龍を「見せる」ための行徳仕様の勾配となっているのだとか。

 

御仮屋の外にも、山車、子ども神輿、町会神輿が並んでいます。

これらは新井三丁目が用意したもの。

新井三丁目は新井(一・二丁目)とは自治会が別で、北浜公園に神酒所を設営しています。

この3基は御霊入れが終わったらそちらに移動します。

 

新井のお囃子は、浦安囃子保存会さん。

お囃子は手締め用、担ぎ用、担ぎを終えるとき用など祭りの動きを見ながら変えていくそうです。

笛がその進行役となり、鉦は笛と太鼓がずれたら調整し全体を導いていく指揮者のような役割なのだとか。

行徳揉みのときは、地すりでは音を小さく、さしでは大きく演奏しているそうですよ。

機会があれば、ぜひ意識して聴いてみてくださいね。

 

さて、いよいよ宵宮が始まります。

まずは拝殿で、宮世話人出席のもと、神事が行われます。

 

続いて各神輿のお祓い。

 

その後、神社の灯りを消して、御霊遷しの儀式が行われます。

 

下の写真は、整列して儀式が始まるのを待つ関係者の皆さん。

御霊遷しは撮影禁止のため写真はありませんが、これぐらいの暗さの中で行われました。

日も落ちてきて、上のお祓いの写真よりだいぶ暗くなってきているのがわかるかと思います。

 

御霊を遷し終えると、再び灯りがつき、ここからさらに各神輿のお祓いや、

 

祝詞奏上、玉串奉天などの神事が続きます。

関係者もこれを見に来た人たちも静かに儀式を見守り、場内はピンと張りつめたような厳粛な空気が漂っていました。

祭りはイベントではなく神事なんだと、あらためて感じる時間でもありますね。

 

 


神事が終わると、御霊を入れたばかりの宮神輿が神社周辺を渡ります。

 

宮世話人、お祓い棒(大麻/おおぬさ)、自治会関係者、神社と各町の高張提灯が先導し、

 

神輿がこれに続きます。

 

暗闇の中、ライトアップされた宮神輿の美しいこと!

 

江戸前担ぎの威勢の良い掛け声や笛が、夜の閑静な住宅街に響きわたります。

 

途中で何度か行徳揉みも披露されました。

新井の地すりは、浦安と同じく担ぎ手の向きが内向きになります。

ただし浦安のように跳ねて回りません。

 

また神輿をさして回るときは、「浦安のように担ぎ棒をたたかない」「片手でさす」など、行徳ならではのこだわりがあるそうです。

(いろいろな地域からの担ぎ手が集まっているので、これらを順守していない方も多いようですが。)

 

約1時間の渡御を終え、神輿が神社に戻ってきました。

 

ここから境内でさらに揉みを続け、盛り上がりをみせます。

 

拍子木の合図で終了です。

明日からの2日間に備えて、この日はさくっと終わりました。


場所が変わって、こちらは北浜公園の神酒所。

御霊を入れた三丁目の町会神輿が、周辺を渡御しているはずです。

 

お囃子の音とにぎやかな声で、神輿はすぐに見つかりました。

お囃子は生演奏ではなく、軽トラックから流れるテープでした。

 

こちらは神輿の同好会・行徳神楽會の皆さんが中心となって担ぎを行っています。

同じ江戸前の担ぎ方でも、先ほどの新井とはなんとなく雰囲気が違う感じがします。

 

さしも、こちらは両手でさして担ぎ棒を叩いて回る浦安型でした。

 

締めは三丁目自治会長が行っていました。

 

この後休憩をはさんで、神輿は北浜公園に戻りますが、自分は翌朝に備えてここで離脱しました。

 

長くなりましたので、今回はここまでとします。

新井の祭礼レポート②に続く)

 

 

 

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