10月1週目の怒涛の行徳祭礼ラッシュに続き、その翌週に単独で行われたのが、行徳で最も歴史ある祭りとされる五ヶ町の祭礼です。
五ヶ町の祭礼は、江戸時代に行徳の中心地だった本行徳一丁目、二丁目、三丁目、四丁目と本塩の5つの町の3年に1度の大祭です。
(本行徳一丁目、二丁目、三丁目、四丁目は旧・住居表示です。現在は合わせて「本行徳」になり、これらの住居表示は存在しません。自治会名としては今も使われています。)
詳しくはこちらのページで詳しくご紹介しておりますのでそちらをご覧いただくとして、このブログでは6年ぶりに行われた大祭当日の様子を5回に分けてレポートします。
①の宵宮編では、10月14日㈯の各町の催しの様子をお伝えします(長文です)。
※祭りの準備の様子も詳しくレポートしています。
祭り準備②(9月~10月)、祭り準備③(祭り前日)、祭り準備④(当日)をご覧ください。
10月14日(土)
本塩(豊受神社)
14日㈯ 朝 はまだ祭りの準備を進めている町が多い中、いち早く催しをスタートさせたのは本塩です。
五ヶ町神輿の渡御では、宮入りの神社として最も盛り上がりを見せる神社です。
午前9時、子ども神輿と山車が町内巡行を開始します。
まずは五ヶ町独自の手拍子「行徳打ち」から。
「チャチャチャ、チャチャチャチャ、チャ」という三・四・一の珍しい手拍子です。
宮入りでお馴染みの神社前の吊り行灯の下をくぐり、いざ出発!
少し進むと、神輿はさっそく行徳揉みを披露します。
揉み手は、本塩子ども会野球部の子どもたち。
地すりも、
さしも、
放り受けも、きれいにきまってますね!
「わっしょい! わっしょい!」
元気な掛け声と大太鼓の小気味よい音が町内に響き渡ります。
これを先導するのは、地元・本塩囃子保存会さんのお囃子です。
ひょっとこ踊りも登場して、盛り上げていました。
途中途中で揉みを披露しながら、
元気よく町を練り歩きます。
三町畑公園での休憩前の揉みまで見て、自分は本塩を後にしました。
本行徳三丁目(八幡神社)
午後から子ども神輿を出したのは、本行徳三丁目。
14時から16時半までの巡行予定のうち、最後の1時間を見ようと15時半ごろに神社を訪れてみたら、なんだか「祭りの後」のような空気感。
もしやと思い関係者に聞いてみたら、子どもがあまり集まらなかったので巡行は早くに終わってしまったとのこと…(泣)。
気を取り直して、葛西囃子おかめ会さんのお囃子を拝聴。
おかめ会さんは、行徳の祭礼ではここ三丁目のみの登場となります。
まさに3年に一度の2日間のみなので、演奏を聴ける貴重な機会となりました。
この後夕方から、各町で宵宮の催しが行われます。
一旦三丁目を離れ、他の町の様子を見てまわることにしました。
飾り付けが終わった五ヶ町の神輿の風格たるや。
子ども神輿や山車、守神剣、そして今年初お目見えの神輿の台車などが並んで展示されていました。
行徳街道沿いには、神酒所が設置されていました。
砂利敷きで坪庭風の植栽もあり、和を感じられる素敵な空間になっていますね。
手前に写っている樽酒を少しだけいただきながら、関係者の皆さんと祭り前の高揚感を共有させていただきました。
こちらは、暗くなってからの様子です。
ライトアップされた神輿も風情がありますね。
先ほどは飾り付け中だった手作りの子ども神輿も、夜には展示されていました。
こちらは、なんとハロウィン仕様!
屋根紋部分のオレンジ色のクモの巣柄がなかなか斬新ですね。
一丁目の子ども神輿巡行は、明日の朝のようです。
明日の夜明け前からの祭礼に備え、一丁目では宵宮の催しが行われません。
先ほど神酒所にあった掛け軸やお供えは神社に移動していました。
誰もいない神酒所はひっそりと静まり返り、祭りの幕開けを待っているかのようでした。
右側の御仮屋には紅白幕が張られ、二丁目の子ども神輿が展示されています。
中台祐信作の行徳神輿で、五ヶ町の神輿と同じ形です。
二丁目の子ども神輿巡行は明日の午後のようです。
左の祭壇側には紫の幕が張られています。
幕を変えているところにこだわりが感じられますね。
左右に飾られた彫刻が大変立派で、釘付けになってしまいました。
これについては別記事でご紹介したいと思います。
こちらは日が落ちた後の神酒所の様子です。
ライトアップされ、なんともいい雰囲気ですね。
昼間巡行を見そびれてしまった子ども神輿はこちら。
中台祐信作の行徳神輿です。
17時半から、葛西囃子おかめ会さんによる獅子舞が行われました。
子どもたちが獅子にご祝儀を渡す場面もあり、
集まった人たちは、祭りの夜を楽しんでいました。
現在も住まわれている個人の住居ですが、祭礼やイベント時には軒先や建物内部が飾り付けされ、一般公開されます。
明治の面影を残す低い格子戸や
玄関先の小上がりに飾られた屏風や掛け軸、手づくりの良寛手まりやちりめん細工など、日本の伝統美とおもてなしの心にほっこり。
本行徳四丁目/神明社
お囃子舞台も子ども神輿の御仮屋も、行徳街道に面するように作られているのが四丁目。
神様に背を向けてお囃子や里神楽を奉納することになるのでは?と気になる部分もありますが、これが四丁目の伝統なのでしょうね。
展示されている子ども神輿はこちら。
浅子周慶作の行徳神輿です。
四丁目の子ども神輿巡行は明日の朝のようです。
17時から浦安囃子保存会さんによる里神楽が披露されました。
こんなに本格的なものが地元で楽しめるのはありがたいですね。
ただ、観客は行徳街道をはさんで観覧することになります。
観覧できるスペースがほとんど無いうえに、前を車が行きかい危険なので、ゆっくり楽しめる状況ではなかったことが少し残念でした。
本塩/豊受神社
朝一番で子ども神輿を出した本塩。
昼からは神社脇の露店も営業を始めました。
夕方も明るいうちはまだ人が少なかったですが、
暗くなり演芸大会が始まるころには、徐々ににぎわいを見せ始めてきました。
地元の本塩囃子保存会さんのお囃子による呼び込みから、演芸大会がスタートします。
最初は神社の前で、子ども会のよさこいソーランと地元のダンス教室によるダンス。
そしてお囃子舞台で、祭りポスターを制作した子どもたちの紹介に続き、
踊りや歌などが次々と披露されました。
露店の方は大混雑です。
演芸大会の最後を飾ったのは、またまた本塩囃子保存会さんです。
おかめ・ひょっとこ踊りには神輿も登場し、大盛り上がり。
そしてこの日、個人的に大注目していたのがこちら。
寿獅子の初舞台です!
同会は2019年にこの獅子舞用の獅子頭を購入したものの、その後コロナ時代に入り、お披露目の機会を失っていました。
今回の祭礼は、満を持しての獅子舞デビューとなります。
初披露とは思えない迫力満点の素晴らしい舞いに、思わず胸が熱くなってしまったのは、自分だけではないと思います。
拍手喝采の中、演芸大会は幕を閉じました。
こうして、祭り一日目が終了。
近隣の家々の軒先に飾られた祭り提灯とススキに宵宮らしさを感じながら、帰宅しました。
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